オー!ファーザー

4人の父親をもつ主人公の伊坂風ドタバタ青春小説。出だしはテンポ良く展開していって、それぞれの父親が個性豊かに息子へ干渉して面白く、細々な伏線から突飛な事件へと発展するのは伊坂ならではなのだけれど、「SOSの猿」と同様に大風呂敷広げてしまって中途半端に終わった感じだった。

複数の父親の設定そのものは、あとがきにも書いてあるようにいろんな作品が過去にあるみたいだが(映画のスリーメン&ベイビーは昔見ていた)、そんなことは意識せず伊坂らしい題材に面白く読めた。

この本を読んで感じたことは、4人の父性に対する考え方が違うのだけれども、でも息子にとってはその父性は必要なものだっていうこと。でも普通は、大体は一人の父親がそれを演じなければならないけどね。息子に対する父親の存在って案外難しいものなんだ。

でも自分はそんな大層な父親を演じてもなく、気がついたらそれぞれ息子たちは大きくなっていた・・・っていうのが正直なところだけど。

あとは10代に思うクソ生意気な考えは、結局なところ大人に守られているのが前提にあることを、子どもたちは気付いていないし、大人たちも気付かせていないのが伊坂らしく表現していたな。

そんなわけでこの本はエンターテイメントしていて、内容も結構深かったけれども、読後感はどこか不完全燃焼なんだな。「ゴールデンスランバー」みたいな着地がしっかりした伊坂作品を読みたいね。



オー!ファーザー (新潮文庫)
新潮社
2013-06-26
伊坂 幸太郎

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この記事へのコメント

藍色
2011年02月19日 01:42
設定がとても独創的でした。ラストのシーンで変わった境遇で育った由紀雄が、とてもうらやましく思えてしまいました!
トラックバックさせていただきました。

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  • 「オー!ファーザー」伊坂幸太郎

    Excerpt: みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。我が家は、六人家族で大変なんだ。そんなのは珍しくない?いや、そうじゃないんだ、母一人、子一人なのはいいとして、父親が四人もいるんだよ。しかも、みんなどこ..... Weblog: 粋な提案 racked: 2011-02-19 01:24